【静岡鉄道】移動の先にある「未来」を創る —— 静岡鉄道が描く地方創生の新パラダイム

滝本颯真
滝本颯真
12/23/2025
仕事と住まい
【静岡鉄道】移動の先にある「未来」を創る —— 静岡鉄道が描く地方創生の新パラダイム

移動の先にある「未来」を創る —— 静岡鉄道が描く地方創生の新パラダイム

人口減少や車社会の深化という課題に直面する地方都市。その中で、静岡市を中心に多角的な事業を展開する「静鉄グループ」の存在感が増している。単なる交通インフラの提供者から、地域課題を解決する「ソーシャルグッドカンパニー」へ。静岡鉄道が進める地方創生の最前線を追った。

1. 「しずてつ未来プロジェクト」:若者と共に創る沿線の活力

静岡鉄道が今、最も力を注いでいるのが「しずてつ未来プロジェクト」だ。これは、「みんなでつくる 日常が特別な街」をコンセプトに、沿線の価値を再定義する試みである。

  • OTOWA FOODHALL SHiiiTO(シート)の挑戦2024年、音羽町駅至近に誕生したこの施設は、単なるフードホールではない。既存ビルをリノベーションし、「地域に開かれた場所」を目指して設計された。ここでは「若者共創プロジェクト」が実施され、地元の若者が店舗と連携して新メニューを開発するなど、街への当事者意識(シビックプライド)を育む拠点となっている。
  • 「=ODEN」と「SUBACO」シェアオフィス「=ODEN」やシェア型社員寮「SUBACO」を展開。多様な働き方や住まい方を提示することで、関係人口の創出や、若年層の県外流出防止という社会課題に真正面から取り組んでいる。

2. デジタルで地域を繋ぐ「しずおかMaaS」の進化

交通事業者としての最大の武器は、移動データの活用と利便性の追求だ。

  • 「移動」のハードルを下げる静鉄グループが主導する官民連携コンソーシアム「しずおかMaaS」は、鉄道・バス・シェアサイクル(PULCLE)・タクシーをデジタルで統合。スマホ一つでシームレスな移動を可能にした。
  • 生成AI観光ナビの実証実験2024年末からは、NTTデータ等と連携し「生成AI観光ナビ」の実証実験を開始。観光客一人ひとりの嗜好に合わせたパーソナライズな周遊提案を行うことで、特定の観光スポットに留まらない「地域全体の回遊性」を高める戦略を打ち出している。

3. 「風景美術館」日本平から発信する観光創生

静岡の象徴である「日本平」エリアの活性化も、同社の地方創生戦略の柱だ。

  • 日本平ホテルのブランド価値「風景美術館」を掲げる日本平ホテルは、国内外の富裕層やMICE(国際会議・展示会等)を惹きつける磁石となっている。
  • 歴史資源との連携日本平ロープウェイを通じて久能山東照宮と連携し、エスパルス等の地元プロスポーツチームともコラボレーション。地域の歴史、景観、スポーツを掛け合わせることで、単発の観光ではない「体験型の滞在」を創出している。

4. 持続可能な経営体質への転換:「中期経営計画2025」

これらの取り組みを支えるのが、2023年度からスタートした「中期経営計画2025」である。

  • 新規事業提案制度「みらいろ」2024年4月に本格始動したこの制度では、社員が自ら地域の課題解決に繋がるビジネスを提案。すでに20以上のチームが参加し、社内からイノベーションを起こす組織文化が醸成されている。
  • 外部共創の加速2025年7月には、事業開発支援のAlphaDrive社と業務提携。自社のアセットに外部の知見を掛け合わせ、地域に利益が循環する仕組みづくりを加速させている。

【総括】生活の全方位を支える「プラットフォーマー」へ

静岡鉄道の地方創生に共通しているのは、「自社だけで完結させない」という姿勢だ。自治体、他企業、そして地域住民や若者と手を取り合い、静岡というフィールドを共に耕していく。

交通、商業、住宅、観光——。生活のあらゆる接点を持つ強みを活かし、静鉄グループは「移動のその先にある、心豊かな暮らし」を、静岡の地に描き出そうとしている。


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