【兵庫県神戸市】震災から30年、神戸が「世界の最先端」になった理由。

力野亜沙未
力野亜沙未
1/17/2026
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【兵庫県神戸市】震災から30年、神戸が「世界の最先端」になった理由。

兵庫県神戸市。1995年の阪神・淡路大震災という未曾有の困難を経験したこの街は、いま、単なる復旧を超えた「創造的復興」の象徴として世界から注目を浴びています。

「港町でおしゃれ」という従来のイメージに加え、現在は日本最大の医療産業都市、そして国内屈指の防災DX都市という顔を持ちます。今回は、観光で訪れた人がなぜこの街に魅了され、移住を決めるのか。その背景にある神戸の「真の実力」を深掘りします。


1. 日本最大級のバイオメディカルクラスター「神戸医療産業都市(KBIC)」の衝撃

ポートアイランドに足を踏み入れると、そこには日本の未来を凝縮したような光景が広がっています。震災復興の柱として始まった「神戸医療産業都市(KBIC)」は、いまや380以上の企業・団体が集積する、アジアを代表する一大拠点です。

なぜ、世界中のトップ企業が神戸に集まるのか?

神戸には、研究開発から臨床応用(病院)、そしてビジネス展開までを一気通貫で行える「エコシステム」が完成しています。

  • 世界をリードする巨人の集結:  ドイツのバイエル薬品日本ベーリンガーインゲルハイム、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンといった外資系大手が拠点を構えます。

    • 国内からも大塚製薬や、スポーツと健康の融合を目指すアシックス、高度なIT技術を持つ日立製作所パナソニックが参画しています。

  • 「メイドイン神戸」の革新: 特に象徴的なのが、川崎重工業とシスメックスの合弁会社「メディカロイド」が開発した手術支援ロボット「hinotori」です。日本初の国産手術ロボットとして、医療現場のDXを牽引しています。

未来を創るスタートアップの熱気

「クリエイティブラボ神戸(CLIK)」を覗けば、明日の医療を変える若き才能に出会えます。

  • ユナイテッド・イミュニティ: ナノテクノロジーで「がん免疫」に挑む。

  • ナレッジパレット: 膨大な遺伝子データから創薬を加速させる。

  • リバーセル: iPS細胞を用いた次世代の免疫療法。

こうした「最先端の仕事がある」という事実は、専門職の方々にとって大きな移住の動機となっています。


2. 命を守るデジタル。神戸独自の「最先端防災技術」

神戸にとって、防災は「過去の記録」ではなく「現在進行形の技術」です。被災の教訓をデジタルと融合させた施策は、住む人に圧倒的な安心感を与えています。

現場に行かない。命を守る遠隔操作

かつて津波の際、水門を閉めに行った職員が犠牲になるケースがありました。神戸市は全国に先駆け、「水門・防潮鉄扉の遠隔操作システム」を導入。タブレット一つで、安全な場所から瞬時に港の門を閉じることが可能です。

空と陸から救う。ドローンと5Gの融合

災害時、5G通信を活用したドローンが空を舞い、スピーカーで避難を呼びかけます。同時に、地上走行ロボットが瓦礫の中を進み、被災状況をリアルタイムで司令塔へ送り届けます。この「レスキュー体制の自動化」は、スマートシティ神戸が目指す究極の形です。

地域防災DX:LINE×Google マップ

お馴染みのLINEを使った安否確認も、神戸では一歩先を行きます。住民が回答した安否情報は、即座にGoogle マップ上で可視化。

「どのエリアに、誰が、どのような状態で取り残されているか」

これをリアルタイムで把握することで、救助の優先順位を科学的に判断します。この「守られている実感」こそが、神戸という街の信頼感に繋がっています。


3. 「里山」から「三宮」まで。理想のライフスタイルを実現する地方創生

神戸の最大の魅力は、その「コンパクトさ」にあります。海があり、山があり、そして世界レベルの都市機能がある。このバランスが、移住検討者の心を掴んで離しません。

「里山」×「都市」の二拠点居住(デュアルライフ)

北区や西区には、日本の原風景とも言える豊かな農村地帯(里山)が残っています。驚くべきは、その里山から三宮のオフィス街まで車や公共交通機関でわずか30分圏内だということです。

平日は最先端の医療都市で働き、週末は自分の畑で土に触れる。そんな「神戸2020ビジョン」から続く多様な暮らし方が、いま20代〜40代の現役世代に支持されています。

進化する玄関口「三宮クロススクエア」

現在、三宮駅周辺では「人が主役」の再開発が進行中です。これまで車中心だった空間を、歩行者がゆったりと過ごせる広場へと変身させています。

「買い物をする場所」から「心地よく過ごす場所」へ。街そのものがリビングルームのような快適さを備え始めています。

震災遺構から学ぶ「ダークツーリズム」の価値

「神戸港震災メモリアルパーク」や「人と防災未来センター」。これらは単なる観光スポットではありません。悲しみを強さに変えてきた街の歴史を学び、自分の人生の「レジリエンス(しなやかな強さ)」を養う場所です。

この学びがあるからこそ、神戸に住む人々は互いに助け合い、新しいことに挑戦する気風(神戸っ子気質)を大切にしています。


4. 2026年、そして未来へ。神戸の挑戦は続く

震災から30年という節目を迎える2026年。神戸では「こうべあいウィーク2026」など、市民一人ひとりが主役となるイベントが多数予定されています。

ここにあるのは、過去を懐かしむだけの街ではありません。

  • 「失敗しても、また立ち上がればいい」という精神。

  • 「最新技術は、人を幸せにするためにある」という哲学。

これらが街の隅々にまで浸透しています。観光で訪れ、異人館の街並みや美しい夜景に目を奪われた後は、ぜひポートアイランドの先端医療や、再開発に沸く三宮の熱気を感じてみてください。

「この街の未来の一部になりたい」

そう思ったとき、あなたの移住への扉は開かれます。


\ 地方移住を応援!ろからいふ。/

私たちは「理想の暮らし、見つけよう」を合言葉に、神戸市のような魅力あふれる街への移住をサポートしています。

仕事、住まい、コミュニティ。あなたの不安をワクワクに変えるお手伝いをさせてください。

【参考・お問合せ】 神戸市公式サイト


編集後記:担当者からの一言

神戸を取材して感じるのは、「レジリエンス」という言葉の重みです。単に元に戻るのではなく、より良い姿(Build Back Better)を目指す姿勢。移住を考える際、その街が「困難にどう向き合ってきたか」を知ることは、長く住む上での大きな安心材料になります。神戸は、その答えを最も明確に持っている街かもしれません。